アートスクール

自分はアート、すなわち芸術、そういったものを大上段に構えた集団が心底苦手である。多少難しいことを書くならば、芸術は自己表現の手段であって、「芸術」を名目に寄り添う烏合の衆には心底うんざりする、というか、はっきり言って個々の才能を錬金術にかけて金儲けしたいんじゃないかと疑っています。いや決め付けるんだオレは。

というのも、こないだディスクユニオン天井桟敷名義のレコードを見たからで、そのジャケットのレイドバック加減にうんざりっつーか、いま2004年だぜって思ったのと、夢の中にそういう集団が現れたからだ。その集団は、ボクたちに好意的に近づいて、さも音楽ってやつを、DJってやつを、クラブってやつを、御教授下さいな、なんて諂った。それでいて飲み屋の御代は持ちますよ的低姿勢で現れた。

ボクらはバカだから、じゃあちょっと経験則的にしか話せないけどね、あ、スイマセーン、生ビールジョッキで、ああゴメンゴメン、で何の話だっけ、DJ理念だっけ?そうそう、あのさあDJってさあ・・・と、べらべら赤い舌を回し、アルコールにいつしか目も回った。

舞台転換。自分は玄関先にいて、それをもう一人のオレが俯瞰のショットで眺めている。玄関先の自分と鼻面合わせているのは女性だ。正体はわからない。曖昧な顔で、曖昧な色のワンピースを着ている。いや、もしかして似た色のブラウスとスカートの組み合わせなのかもしれないけど、曖昧でよくわからない。女性は、あの男に近づくなと警告する。声は明瞭で曖昧模糊としたところなど一切無い。あの男は目標に近づいては、諂い、そしていつの間にか人の持っているものを全て奪い去るでしょう。女性はそう言った。あの男には自然と金が集まる、そのような体内構造を持っています。ある種の力学です、そう言った。

そこでボクは目が覚めて、普段吸わない朝の煙草に火を点けた。
嫌な、嫌な目覚めだった。